手動計測と電動計時のタイム差&光電管のタイムについて

このページでは、手動計測と電動計測のタイムの差を詳しく解説しております。

その前に両者はどのような計測方法であるのかをしっかりと知っておいて下さい。

50m走、100m走、200m走、400m走などの短距離走でタイムを測定する際に、どのような測定方法で計測を行うのかは大きく分けて以下の2パターンに分かれます。

それは、冒頭でも書いた通り手動計測なのか電動計時なのかです。

手動計測と電動計時の違い

特別な大会の時でも無い限りはストップウォッチで人為的にタイムを計測するのではないでしょうか?

この、ストップウォッチでの測定を手動計測と言います。

これとは別に大会時などでは電動計時というタイム測定方法が用いられています。

こちらの計時は陸上競技の公式大会などで用いられる正式なタイム計測方法です。

電動計時は、号砲と共にタイムの計時が開始され、ゴールライン地点に胴体が通過された瞬間に計時を終えます。人為的では無く機械で計測されるので寸分の狂いも無く、正しいタイムが刻まれる本格的な測定方法なのです。

陸上競技のレコードには世界記録、エリア記録、高校記録、中学記録などが存在しますがこれは電動計時にて測定された記録がほとんどです。

因みに現在陸上競技の公式記録として認められるのは電動計時によるタイムのみとなっております。

手動計測と電動計測のタイム差はどのぐらいなのか?

ストップウォッチなどで計測をするとき、最低でも0,24秒~0,27秒は電動計時タイムよりも速めのタイム(誤差)が出ます。

因みにこの0,24~0,27秒という数字は計時に慣れている者が測定した際にどうしても生じてしまう誤差です。

計測方式にもよりますがタッチダウン方式と呼ばれる一歩目を踏み出してからストップウォッチを押す方式だと0,6秒程度、下手すると1秒程度の誤差が生じてしまうこともあります。

ですので小中高校のスポーツテストでの計測は未だ手動計測が多く、しっかりと計時しなくては大きな誤差が生じてしまうのでタイムの信ぴょう性が低くなってしまいます。

ではなぜ、タイム計測では誤差が生じてしまうのでしょうか?

タイム計測の際にどうしても起こってしまう誤差について

ストップウォッチでタイムを測定すること=正確なタイムでは無い。これは大前提となります。

我々人間が他者のタイムを正確に測ることは不可能なのです。

それは、ストップウォッチのボタンを押す時間に加え、走者がゴールラインに到着後、それを認知するのにかかってしまう時間を足して0,24~0,27秒程度かかるからです。

この、絶対的に生じる誤差は手動計測で測定する限りは避けて通れないのです。

もし、正確にタイムを計測したければ電動計時以外に方法はありません。

因みに、タッチダウン方式と言われている手動計測手法は正式な測定よりも0,87秒程度速く出ると言われております。

タッチダウン方式での測定では、走者が一歩目を踏み出した事を確認した計時者がストップウォッチを押し始めるのです。最低でも0,6秒速いタイムが出ます。

良く高校野球の選手で50m5秒8の俊足選手と紹介されていたりしますが実際のタイムは6秒6程度と言う訳です。

電動計時の一つである光電管とは?

電動計時方法の1つに光電管による測定があります。

この、光電管を用いた測定方法はスタート地点とゴール地点にセンサーが設けられており、スタートと同時に計測が行われ、ゴールと同時にセンサーが人体の通過を感知する迄の時間を計測するという電動計測方法です。

しかし、光電管による測定方法には一つ問題があります。

電動計時なので正確なタイムを測るという点においては良いのですが陸上競技のルールにある「位置について・用意・ドン!」という、一連の流れが無く自分のペースでスタートする事が可能です。

陸上競技のルールに則った計測方法では無いため、光電管でこのように記録したタイムは当然公式記録としては認められません。

本来陸上競技では、スターティングブロックおよび号砲を鳴らすピストルが電動計時機械と連動しており、走者は計時開始ピストル号砲の音を聴き、スタートをし、計測するシステムになっているのですが光電管による計測では、号砲の合図を聴かなくとも自分で勝手に走り始められるので陸上競技のルールに則っていないということになるのですね。

しかし、号砲の合図を行う者がいれば光電管でも公式大会のレース本番さながらの電動計時が可能なので本格的なタイムを測りたいという場合はストップウォッチ手動計測よりも断然、光電管による電動計時がおすすめです。

公式記録として認められる事はありませんが正確なタイムが計測できるので現在、学校の陸上競技部は勿論、野球やサッカーなどの運動部などで部員のタイムトライアルのために導入されている学校は多数存在します。

最近では以下のような号砲音の鳴る光電管も出てきたのでレース本番と同じような緊張感でタイム計測が可能となりました。


号砲と計時が連動されており、本番さながらの計時可能な光電管セット

レース本番のプレッシャーに弱い方は号砲音付き光電管で練習を重ねれば試合でのあがることも無くなりそうです。

手動計測と電動計時のタイム差&光電管のタイムについてまとめ

短距離走のタイム計測手法を大きく分けると手動計測と電動計時の2つに分ける事ができ、ストップウォッチを用いた手動計測と公式大会の時に使用される電動計時が最もポピュラーである。公式大会の電動計時は寸分の狂いも無いため、正真正銘の正確なタイムと言える。

ストップウォッチ計測では公式大会の電動計時よりも0,24~0,27秒程度速いタイムが出る。これは熟練した計時員が計測した際にどうして出てしまう誤差である。

タッチダウン方式という、走者が一歩を踏み出した時にストップウォッチで計測を開始するタイム計測だと公式大会の電動計時に比べて0,87秒の誤差が生じてしまう。

電動計時手法の一つに光電管によるタイム計測がありますがこれは自分のペースでスタートする事ができるため記録されたタイムはあまり参考にならない。もし光電管による計測手法を用いるのであれば「位置について・用意・号砲」の合図を行う計時員等が必要となる。