結論から言えば一般的に50mを6秒台で走ることができれば俊足である。

しかし、6秒代後半で「俺足が速いよ」と、自分からは言えない。

6秒5を切ることができて初めて「俺足が速いよ」と言えるレベルだ。

7秒5が一般人成人男性の50m走平均タイムだとするならばそれよりも速いタイムであれば平均以上ということであり、客観的に見て速いのだ。

しかし、7秒5よりもちょっと速いぐらいではレベル的には微妙と言う他ない。

つまるところ俊足にもレベルが存在するのだがそのレベルの中で一定のラインを切っていないと俊足と言うに足りないのである。

ではその俊足のレベルとは具体的にどのようなものか以下に早見表を掲載しよう。

50m走での俊足判定基準の早見表

※計測手法及び条件と年代基準
計測方法:手動計測(ストップウォッチ)
条件:土のグラウンド又は陸上トラックどちらでも可、運動靴又はスパイクどちらでも可。スタブロの有無も問わない。
年齢:18歳~29歳までの一般成人男性が基準(女性の場合、0,65秒プラスして考える。)

秒数評価偏差値
7秒5平均的50
7秒0~7秒49平均以上51~57
6秒50~6秒99俊足58~63
6秒01~6秒49かなり俊足64~69
5秒76~5秒99超俊足70~76
5秒51~5秒75スプリンター77~83
5秒01~5秒5五輪スプリンター83~89
5秒0以下ボルトクラス90~
わかりやすいように偏差値で例えてみたが偏差値は75を超えるとバケモノ扱いされ始めるのでこのレベル以上がいかに凄いのかが分かるだろう。

ざっとこんな感じである。

測定条件は非アスリートでも馴染み深い手動計測でしかもスパイクを履こうがトラックで走ろうがスタブロあろうがなかろうがどちらでも良いという何でもありの条件である。

さて、この目安基準に基いて論じていこう。

俊足であるか否かの議論がなされるのは7秒以下なのか6秒5以下なのかで人によって評価がマチマチだが世間一般的には7秒を切れれば俊足だ。しかし、冒頭で申した通り、7秒を切れたぐらいでは自慢するのは恥ずかしいのは言うまでもない。

6秒5を切れてようやく「俺俊足だよ」と、言って良い程度。

さて、次は6秒を切った者について論じよう。

たとえ手動計測でも5秒台が出せれば世間一般的に見て物凄く足の速い人である事は間違いない。自分が俊足である事を公言しても恥ずかしくないレベルであることは確か。

5秒は後半でも相当足が速いと傍から見て映る。

手動だろうが5秒台は凄いのだ。

特に、5秒75以下のスプリンターのレベルにでもなると異次元の速さである。陸上競技を生で見たことのある者にしか分からない凄みがある。

このタイムが出せる者は日本では数限られる。それは、陸上選手もとい、野球やサッカーなどのダッシュ要素のあるスポーツの中でも指折りの俊足選手ぐらいのものだ。

5秒5以下のオリンピックスプリンタークラスにでもなると俊足スポーツ選手でも叩き出すのは難しく、一流のスプリンターでも無い限りは出せないだろう。日本でこのタイムを叩き出せる者と言えば、山縣、サニブラウン、桐生、小池、多田修平などの陸上短距離走トップ選手だったり、前半型の有名選手ぐらいのものだ。

そして極めつけは50m走5秒以下という恐ろしいタイムについてだがこれは全盛期のボルトが手動計測で測定をすればあり得るタイムだ。なぜなら、ボルトが9秒58という輝かしい大記録を叩き出した時の50m通過タイムが5秒47だからであり、これは電動計測での記録。手動計測であれば電動計測よりも0,5秒速いタイムが出ることもあるので測り手によっては手動計測でボルトが叩き出せるタイムでもある。

まとめ

50m走6秒台が俊足かどうなのかというお題から五輪一流スプリンターの50m走手動計測の可能性の話となり、脱線した感が否めないが「我こそは俊足である。」という、脚力に自信のある者がどの程度の俊足なのかを客観的に評価可能な目安や基準を知ったり、過剰評価されがちなスポーツ選手の50m走のタイムが実際はどの程度のものなのかを知る際の参考となれば良いという想いで制作した。